ブロックチェーン
Binanceの描くブロックチェーンのエコシステム
概要
- Binanceの目指すエコシステム
- Exchange:ブロックチェーン・クリプト資産の取引所
- Binance Labs:ブロックチェーンプロジェクトに対するインキュベーション
- Binance Launchpad:資金調達プラットフォーム
- Binance Info:仮想通貨情報
- Binance Academy:ブロックチェーン・仮想通貨教育事業
- Trust Wallet:Binanceのオフィシャルウォレット
- Blockchain Charity Foundation:チャリティー活動
- まとめ
世界最大の取引所であるBinanceは何を考えているのでしょうか。本記事では仮想通貨業界を牽引するBinanceが思い描く未来の概観を、Binanceの支柱となる7つのセクターから解説します。
Binanceの目指すエコシステム
Binanceは2017年に創業して以来、急速に成長し、あっという間に世界トップの仮想通貨取引所企業になりました。Binanceはミッションである「spreading the freedom of money (お金に自由をもたらす)」を達成するため、取引所以外に異なる6つの事業セクターを作り、さらに高みを目指しています。Binanceがミッション達成のために目指していることはブロックチェーン・仮想通貨に関する包括的な価値を提供することによりBinanceという組織を中心にエコシステムを築き上げることのようです。現在Binanceが運営している事業セクターは
- Exchange (取引所)
- Labs (インキュベーション・投資)
- Launchpad (資金調達)
- Academy (学習)
- Info (仮想通貨情報)
- Trust wallet (ウォレット)
- Charity (慈善活動)
の7つです。それぞれのセクターについての概略を説明していきます。
Exchange:ブロックチェーン・クリプト資産の取引所
取引所はローンチ以降、劇的な勢いでBinanceのブランドを築きあげた最も大きな事業です。BNBという独自のトークンを取引に用いることで手数料を割り引くなど、他の取引所と比べても良質な取引サービスを提供しており、現在180以上の国でサービスを展開しています。Binanceの取引所はBinanceの考えるfreedom of moneyの三要素「安全」「強固」「迅速」を達成しています。Binanceの取引所は常に価値のある仮想通貨を幅広く提供することを目標としており、継続的に新しい機能を加えたり既存の機能を強化したりなど取引所の最前線にいる努力を続けています。
Binance Labs:ブロックチェーンプロジェクトに対するインキュベーション
Binanceはブロックチェーンの未来を切り拓くためには、イノベーターへのオポチュニティを創出し、ポテンシャルを発揮させることが重要だと捉えており、ブロックチェーンの開発者とそのプロジェクトをサポートしています。Binance Labsでは起業家・開発者のインキュベーションや新しいアイデアのブートストラップから、初期資金の確保、必要リソースまで提供し、エコシステムの形成のために各開発者・起業家を繋いでいます。
Binance Launchpad:資金調達プラットフォーム
Binance Launchpadはスタートアッププロジェクトのためのトークンのローンチによる資金調達プラットフォームです。Binance Launchpadでの厳密な審査を通過したプロジェクトはBinanceのプラットフォームを使ってトークンをローンチし、資金調達をすることができます。またBinance Launchpadを利用することにより、開発者が資金調達にリソースを割く必要がないため、開発などの優先事項に注力できます。投資家へのプロジェクトに関するリサーチ情報の提供を近い将来に予定しています。
Binance Info:仮想通貨情報
Binanceは数多くのコインを上場させていることによりプラットフォームとして拡大しました。それによってBinanceは上場通貨に関する情報の高い信頼性も持っています。その信頼性を活かすために作られたのがBinance Infoです。Binance Infoは包括的な仮想通貨情報のサービスであり、ほぼ全ての仮想通貨に関する客観的な情報を素早く効率的に知ることができます。プロジェクトの詳細情報、マーケットデータ、レーティング、暗号資産のレポートなどに対応しています。複数の情報ソースとレーティング業者をカバーしており、信用できる仮想通貨情報のハブになることを目指しています。
Binance Academy:ブロックチェーン・仮想通貨教育事業
Binance Acacemyはブロックチェーンのエコシステム全体を知る上でのライブラリのような役割を目指した教育事業です。Binanceは、ブロックチェーンの可能性を理解するためには仮想通貨に関する知識だけでは不十分であり、技術まで含めたブロックチェーンに関する全体的な知識が必要だと考えているようです。もともとBinance Academyは取引所のガイドとして始められましたが、現在は範囲を広げ、知識の浅い人からブロックチェーンコミュニティのアクティブメンバーまでを対象に価値のある教育コンテンツを提供することを目標にしています。
Trust Wallet:Binanceのオフィシャルウォレット
Trust WalletはBinanceの提供する仮想通貨ウォレットです。Binanceは仮想通貨に関する包括的なサービスの提供を目指しており、Binanceの取引所で取引したトークンを保存するためのウォレットも提供しています。Trust Walletはシンプルなインテーフェースと強力なセキュリティが特徴で、秘密鍵をユーザーのデバイスにローカルで保存するクライアント型を採用しています。また、dAppsに容易に接続できるブラウザも搭載しています。今後は、より多くの仮想通貨に対応するなど、より良質なサービスを追求して行く予定のようです。
Blockchain Charity Foundation:チャリティー活動
2018年10月8日にBinanceは上場ポリシーをアップデートし、上場手数料の100%をチャリティーに寄付すると発表しましたが、BinanceはBlcokchain Charity Foundationと称し、これまでも積極的にチャリティー活動を行ってきました。Binanceはブロックチェーンは福祉をより効果的で直接的にできると考えており、ブロックチェーンを社会福祉への貢献に使う一環としてBlockchain Charity Foundationを設立しています。Blockchain Charity Foundationにはブロックチェーン業界のリーダーや国際機関、マルタ政府などとの強固なパートナーシップがあるため、それを活用した社会貢献を追求していくようです。
まとめ
いかかでしたか。世界最大の取引所であるBinanceが思い描く未来の概観をつかむことができたと思います。様々なプロジェクトに広く投資しているCoinbaseに対して、Binanceはより明確なBinanceによるエコシステムの形成を目指しているようです。今後Economies2.0編集部でもBinanceの動向を継続的にウォッチし、各事業に関する情報を掘り下げていく予定です。